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佐原の大祭
佐原の大祭(さわらのたいさい)は、千葉県香取市の佐原地区で行われている祭りで、
豪華絢爛な彫刻や大人形で飾られた総欅造り山車(幣台)の曳き回しが特徴。
7月10日以降の金、土、日曜日に開催される「八坂神社祇園祭(夏祭り)」と10月第2土曜日を中日とする「諏訪神社大祭(秋祭り)」、
この2つの総称が「佐原の大祭」で、2004(平成16)年2月、「佐原の山車行事」として「佐原囃子」
とともに国の重要無形民俗文化財に指定されている。
また2016(平成28)年11月30日(日本時間12月1日)、18府県33件の祭りで構成される「山・鉾・屋台行事」のひとつ「佐原の山車行事」として
ユネスコ世界無形文化遺産登録された。
佐原地区は、中心部を利根川の支流である小野川が流れ、古くから利根川を使った水運による物資の集散地として栄えた。 特に江戸時代になると顕著になり、商業集積は、小野川の東側だけでなく西側にも拡大した。小野川の東側を本宿、西側を新宿と呼ぶ。 小野川沿いや香取街道沿いには現在でも当時の建物が多く残っており、その街並みは国選定重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。 本宿で行われるのが夏祭り、新宿で行われるのが秋祭りとなる。 山車の仕組みは、総檜造りの二層構造で、4つの木製の車輪がつき、人力で動かす。二層の下(中天上)に佐原囃子を演奏する「下座連」を乗せ、 二層の上(大天上=山車の屋上)には大人形が飾られている。また山車には、龍や鷹、さらには歴史物語に題材をとったものなどの精巧な彫刻が施されている。 佐原囃子は、日本三大囃子のひとつ。笛、小鼓、大皮(大鼓)、大太鼓、小太鼓、すり鉦で構成され、15人程度の人数で演奏される。 曲目は40曲以上ある。 2016(平成28)年4月24日、香取市合併10周年記念山車特別曳き廻しが行われた。 香取街道の忠敬橋を先頭に、東側に本宿地区の山車10台、西側に新宿地区の山車14台が整列。 本宿地区の山車が新宿地区を巡行し本宿側の小野川沿いに、新宿地区の山車が本宿地区を巡行し新宿側の小野川沿いに整列した。 香取街道に、そして小野川沿いに整列する24台の山車は壮観だった。 2017(平成29)年4月29日、佐原コミュニティセンター駐車場及び佐原駅北口駐車場を会場に ユネスコ世界無形文化遺産登録「佐原の山車行事」記念祝賀山車曳き回しが行われた。 佐原の山車24台が会場に勢ぞろいし式典を開催したほか、のの字廻しやそろばん曳きなどの曲曳きや手踊りが披露された。 なお当ページ作成に当たり佐原の大祭実行委員会発行などのパンフレット等を参考にした。 アクセス 公共交通機関は、JR成田線「佐原駅」下車。 自動車は首都圏中央連絡自動車道神崎ICを降りて国道356号を「香取・銚子」方面へ。 駐車場 利根川河川敷に臨時駐車場。約1000台。無料。 香取市佐原。利根川河川敷臨時駐車場の地図 夏祭り 夏祭りは、香取市佐原イ3360、本宿地区にある八坂神社(旧牛頭天王社)の祭礼。船戸区、本川岸町、荒久町、仁井宿町、八日市場町、上仲町、下仲町、寺宿町、 田宿区の各氏子地区から10台の山車が出る。3日間とも山車が氏子地区を巡行するほか、最終日には神輿が渡御し、忠敬橋で御浜下りの神事が行われる。掲載は、香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し順。 山車と人でにぎわうおまつり広場前=2022年 多くの人出でにぎわう八坂神社境内 下仲町 しもなかちょう。山車人形は菅原道真(すがわらみちざね)。扁額は「頌徳(しょうとく)」。 山車は1822(文政5)年、山車人形は1921(大正10)年の製作。人形師は三代目安本亀八。 2012(平成24)年に発見された古文書により山車の製作年代がわかり、佐原最古と判明した。下座は如月会囃子連。 下仲町の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 夜の曳き廻し=2017年(左)、夜の山車人形=2022年(右) 上仲町 かみなかちょう。山車人形は大田道灌(おおたどうかん)。扁額は「徳威(とくい)」。 山車は1901(明治34)年、山車人形は1921(大正10)年の製作。人形師は大柴徳次郎。下座は東関戸連中。 上仲町の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 夜の曳き廻し=2017年(左)、夜の山車人形=2022年(右) 荒久 あらく。山車人形は経津主命(ふつぬしのみこと)。扁額は「威徳(いとく)」。 山車は2018(平成30)年5月、旧山車は1928(昭和3)年、山車人形は1920(大正9)年の製作。山車人形は三代目安本亀八。下座は野田芸座連。 荒久の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年(左)、夜の曳き廻し=2017年(右) 本川岸 ほんがし。山車人形は天鈿女命(あめのうずめのみこと)。扁額は「咲樂(しょうらく)」。 山車は1882(明治15)年、山車人形は1804(文化元)年の製作。 2017(平成29)年9月の調査で、頭部内側左側耳付近に「文化元年五月 江戸人形師鼠屋五兵衛」の墨書が見つかったことにより 佐原で最古の山車人形であることが分かった。戦後大きな修復が行われている。下座は新和下座連。 本川岸の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年(左)、夜の曳き廻し=2017年(右) 本川岸山車人形天鈿女命=2018年(左)、同じく頭部=2018年(右) 八日市場 ようかいちば。山車人形は鯉(こい)。扁額の場所に龍の彫刻がある。 山車は1896(明治29)年の製作。山車人形の場所にある藁の鯉は江戸時代後期の文政年間(1818〜30年)に作られていた記録がある。 現在の鯉は麦藁を使い5年毎に作り直されている。下座は内野下座連。 八日市場の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年(左)、夜の曳き廻し=2017年(右) 八日市場山車人形鯉=2018年(左)、夜の山車人形=2022年(右) 浜宿 はまじゅく。山車人形は武甕槌命(たけみかづちのみこと)。扁額は「柔和(にゅうわ)」。 山車は1997(平成9)年、山車人形は1937(昭和12)年の製作。人形師は鼠屋。 山車彫刻は先代の山車にあったもので1848(嘉永元)年から4年間かけて彫られたものという。下座は与倉芸座連。 浜宿の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年(左)、夜の曳き廻し=2017年(右) 浜宿山車人形の武甕槌命、頭部=2018年(左)、夜の山車人形=2022年(右) 寺宿 てらじゅく。山車人形は金時山姥(きんときやまんば)。扁額は「幣臺(へいだい)」。 山車は1850(嘉永3)年、山車人形は1879(明治12)年の製作。人形師は鼠屋五兵衛。下座は佐原囃子連中。 寺宿の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 夜の曳き廻し=2017年(左)、夜の山車人形=2022年(右) 田宿 たじゅく。山車人形は伊弉那岐尊(いざなぎのみこと)。扁額は「●泰(ようたい)」=●は擁の手偏をとる=。 山車は1851(嘉永4)年、山車人形は1910(明治43)年の製作。人形師は面六。下座は清水芸座連。 田宿の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年(左)、夜の曳き廻し=2017年(右) 仁井宿 にいじゅく。山車人形は鷹(たか)。扁額は「仁愛(じんあい)」。 山車は1999(平成11)年の製作。山車人形の場所にある藁の鷹は江戸時代の宝暦年間(1751〜64年)に作られていたという。 現在の鷹は稲藁を使い4年毎に作り直されている。下座は潮来芸座連。 仁井宿の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年(左)、夜の曳き廻し=2017年(右) 仁井宿山車人形の鷹=2018年(左)、夜の山車人形=2022年(右) 船戸 ふなど。山車人形は神武天皇(じんむてんのう)。扁額は「烝●(じょうかん)」=●は行人偏に刊=。 山車は1997(平成9)年、山車人形は1887(明治20)年の製作。人形師は三代目原舟月。下座は源囃子連中。 船戸の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年(左)、夜の曳き廻し=2017年(右) 神輿 最終日の日曜日、午前11時から八坂神社で神事。最後に猿田彦大神を先頭に関係者、続いて神輿が社殿を3周、その後市内を巡行する。 神事の後、八坂神社境内を担ぐ神輿=2016年 年番引継行事 年番は3年に一度引継が行われる。香取街道に各町内の山車が年番を先頭に整列。 神社で引継神事の後、年番山車から順番に「砂切」が演奏される(通し砂切)。 その後、先頭の年番山車が最後尾に下がり、再び新年番山車から順番に「砂切」が演奏される。 最後に新年番山車にあいさつする形で各町曳き別れとなる。 年番引継行事がある年の祭りを本祭という。 八坂神社拝殿前で各町の代表者による引継神事、この後ろには各町の高張提灯がある=2017年(左)、 年番町の下仲町の山車が新年番の上仲町の山車の脇を通り、列の最後尾に下がる=2017年(右) 雨の山車巡行 梅雨の真っただ中に行われる場合がほとんどの夏祭り。祭り当日が雨になる日は少なくない。もちろん雨が降っても祭りは中止にならない。 山車の巡行も予定通り行われるが、山車はすっぽりとビニールシートがかけられる。このため、どこの山車も同じような外観になる。 雨の中巡行中の船戸山車 雨の中山車会館裏を巡行中の浜宿山車(左)、同じく雨の中小野川沿いを巡行中の上仲町山車(右) 秋祭り 秋祭りは、香取市佐原イ1020、新宿地区にある諏訪神社(旧諏訪明神社)の祭礼。下川岸区、仲川岸区、新上川岸区、西関戸区、東関戸区、北横宿区、下分区、 南横宿区、下宿区、新橋本区、上中宿区、下新町区、上新町区、上宿区の各氏子地区から14台の山車が出る。掲載は、香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し順。 新橋本 しんはしもと。山車人形は小野東風(おののとうふう)。扁額は「雲龍(うんりゅう)」。 山車は1894(明治27)年、山車人形は1871(明治4)年の製作。人形師は鼠屋。下座は野田芸座連。 新橋本の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 新橋本夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の小野東風=2019年(右) 下分 しもわけ。山車人形は楠木正行(くすのきまさつら)、小楠公(しょうなんこう)。扁額は「下分(しもわけ)」。 山車は1895(明治28)年、山車人形は1935(昭和10)年の製作。人形師は大柴護豊。下座は潮来芸座連。 下分の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 下分夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の楠木正行=2019年(右) 仲川岸 なかがし。山車人形は神武天皇(じんむてんのう)。扁額は「博如天(ひろきことてんのごとし)」。 山車及び山車人形はは1898(明治31)年製作。下座は佐原囃子連中。 仲川岸の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 仲川岸夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の神武天皇=2019年(右) 下川岸 したがし。山車人形は建速素盞鳴尊(たけはやすさのおのみこと)。扁額は「宏遠(こうえん)」。 山車は1898(明治31)年、山車人形は江戸後期の製作。下座は清水芸座連。 下川岸の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 下川岸夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の建速素盞鳴尊=2019年(右) 上中宿 かみなかじゅく。山車人形は鎮西八郎為朝(ちんぜいはちろうためとも)。扁額の場所には富士山をかたどった彫刻がある。 山車は1852(嘉永5)年、山車人形は1882(明治15)年の製作。人形師は鼠屋伝吉。下座は和楽会。 上中宿の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 上中宿夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の鎮西八郎為朝=2019年(右) 下宿 しもじゅく。山車人形は源頼義(みなもとのよりよし)。扁額は「誠意(せいい)」。 山車は1875(明治8)年、山車人形は1899(明治32)年の製作。人形師は古川長延。下座は分内野下座連。 下宿の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 下宿夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の源頼義=2019年(右) 東関戸 ひがしせきど。山車人形は楠木正成(くすのきまさしげ)、大楠公(だいなんこう)。扁額は「純正(じゅんせい)」。 山車及び山車人形は1935(昭和10)年の製作。人形師は大柴護豊。下座は東関戸連中。 東関戸の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 東関戸夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の楠木正成=2019年(右) 西関戸 にしせきど。山車人形は瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)。扁額は「神威赫奕(しんいかくえき)」。 揮毫は明治神宮の有馬良橋元宮司。 山車は1935(昭和10)年、山車人形は1937(昭和12)年の製作。下座は雄風會。 西関戸の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 西関戸夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の瓊瓊杵尊=2019年(右) 上新町 かみしんまち。山車人形は諏訪大神(すわだいじん)。扁額は「敬神(けいしん)」。 山車は1936(昭和11)年の製作、山車人形の位置にある諏訪大神も同年からで八咫鏡を中心に大榊、旗などで飾られている。 下座は鹿嶋芸座連。 上新町の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 上新町夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の諏訪大神=2019年(右) 北横宿 きたよこじゅく。山車人形は日本武尊(やまとたけるのみこと)。扁額は「愛國(あいこく)」。 山車及び山車人形は1875(明治8)年の製作。人形師は鼠屋。下座は源囃子連中。 北横宿の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 北横宿夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の日本武尊=2019年(右) 下新町 しもしんまち。山車人形は浦嶋太郎(うらしまたろう)。扁額は「恩波(おんば)」。 山車は江戸後期、山車人形は1879(明治12)年の製作。人形師は鼠屋。下座は牧野下座連。 下新町の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 下新町夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の浦嶋太郎=2019年(右) 新上川岸 しんうわがし。山車人形は牛天神(うしてんじん)。扁額は「上河岸(うわがし)」。 山車は1915(大正4)年、山車人形は江戸後期の製作。下座は潮風會囃子連。 新上川岸の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 新上川岸夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の牛天神=2019年(右) 南横宿 みなみよこじゅく。山車人形は仁徳天皇(にんとくてんのう)。扁額は「高きやに登りて見れば烟たつ民のかまどは賑わいにけり」 山車は1875(明治8)年、山車人形は1925(大正14)年の製作。人形師は三代目安本亀八。下座はあらく囃子連。 南横宿の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 南横宿夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の仁徳天皇=2019年(右) 上宿 かみじゅく。山車人形は源義経(みなもとのよしつね)。扁額は「智勇(ちゆう)」。揮毫は鎌倉・鶴岡八幡宮宮司。 山車は1978(昭和53)年、山車人形は1980(昭和50)年の製作。人形師は四代目面六田口義男。 現在の山車は3代目ながら、山車を飾る彫刻は初代の山車からおよそ150年受け継がれている。下座は寺宿囃子連。 上宿の山車=香取市合併10周年記念山車特別曳き廻し=2016年 上宿夜の曳き廻し=2019年(左)、同じく山車人形の源義経=2019年(右) 神輿 祭り初日の金曜日、午後3時から諏訪神社で神事後、市街地に下り御旅所へ。 最終日の日曜日、午前9時、御旅所から新宿地区を渡御、午後6時ごろ諏訪神社に戻る。 市内を渡御する神輿=2018年 年番引継行事 年番は3年に一度引継が行われる。夏祭り同様、香取街道に各町内の山車が年番を先頭に整列。 年番山車から順番に「砂切」が演奏される(通し砂切)。 その後、先頭の年番山車が最後尾に下がり、再び新年番山車から順番に「砂切」が演奏される。 最後に新年番山車にあいさつする形で各町曳き別れとなる。 夏祭り同様、年番引継行事がある年の祭りを本祭という。 年番引継で後ろに下がる年番下分の山車と新年番仲川岸の山車=2019年
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