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小栗内外大神宮太々神楽
茨城県筑西市小栗の内外大神宮に伝わる「小栗内外大神宮太々神楽(おぐりないげだいじんぐうだいだいかぐら)」。
小栗はかつて伊勢神宮内宮の神領「御厨(みくりや)」で、「御厨の里の岩戸神楽」として知られている。茨城県指定無形文化財。
太々神楽は、毎年4月と11月の年2回の例大祭で奉納される。例大祭は、かつては4月21日と11月20日だったが、
現在はこれらの日の直前の日曜日に開かれている。
神楽は、1751(寛延4)年6月、山城国(現在の京都府)愛宕郡三嶋宮の神主から、当時の内外大神宮の神主、 小栗山城守平宣政(たいらののりまさ)に伝授された。当時の相伝書が残っており、神話に基づいた13の演目が記されている。 最初伝えられた神楽は、巫女舞を中心とした舞だった。その後、伊勢神宮の神楽師が地方の神社を太々神楽指導のため巡回し、 新たに火男(ひょっとこ)や天狐(てんこ)、白狐(びゃっこ)など、面白い舞が付け加えられ宮毘講(江戸の道化神楽に影響を受けた神楽講) を主とした神楽に転換、12座36座となったとされる。 かつて神楽は神職によって伝えられたが、現在は「太々神楽保存会」が結成され継承されている。 当ページの作成に当たり、小栗内外大神宮太々神楽のパンフレットなどを参考にした。 神楽の前に行われる神事 「幣舞」 へいまい。面をつけずに、幣束と鈴を持って舞う。最も基本的な舞という。 また当初の古い形を残している舞と考えられている。幣舞 「啓行神楽」 けいこうかぐら。猿田彦命(さるたひこのみこと)が、鉾を持って舞う。このため鉾舞とも呼ばれる。猿田彦の舞 四方に向かって舞う(左)、猿田彦命の荒形の幣舞(右) 「神子舞」 みこまい。扇子と鈴を持って舞う。かつては氏子の長女が身体の健康を祈願して舞ったものという。 幣舞同様、古い形を残している舞で、以前は6回舞われた。神子舞(左)、同じく神子舞(右) 「五行神楽」 ごぎょうかぐら。黄色の幣束を持った土の神、埴安彦命(はにやすひこのみこと)、 青色(緑)の幣束を持った木の神、久久能智命(くくのちのみこと)、 赤色の幣束を持った火の神、加具土命(かぐつちのみこと)、 白色の幣束を持った金の神、金山彦命(かなやまひこのみこと)、 黒色(青)の幣束を持った水の神、罔象女命(みずはめのみこと)の5柱の神が登場。 埴安彦命を前に4柱の神が舞い、その後、埴安彦命の一人舞となる。五行神楽で埴安彦命を前に舞う4柱の神 五行神楽で埴安彦命を前に舞う4柱の神(左)、同じく埴安彦命を前に舞う4柱の神(右) 五行神楽で舞う埴安彦命(左)、同じく埴安彦命(右) 「稲生神楽」 いなりかぐら。天狐命(てんこのみこと)、白狐命(びゃっこのみこと)、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)が 稲の種蒔きから刈り取りまでを演じ、豊作を祈願する舞。「蒔き餅」が行われる。稲を刈る舞の倉稲魂命 耕す天狐命(左)、種を蒔く白狐命(右) 「鬼祓神楽」 きふつかぐら。天稚彦命(あめのわかひこのみこと)と鬼女(きじょ)が姫の面で登場。 鬼女の姫の顔が突如として鬼に変わる面の早変えも見どころのひとつ。 天稚彦命が退場し、武甕槌命(たけみかずちのみこと)が登場。鬼女は撞木(しゅもく)を武器に武甕槌命と戦うが成敗されてしまう。 最期は武甕槌命の荒形の幣舞。武甕槌命と鬼女 天稚彦命と姫面の鬼女(左)、天稚彦命と鬼女(右) 武甕槌命と鬼女の舞(左)、天稚彦命と鬼女の舞(右) 鬼女を成敗する武甕槌命(左)、武甕槌命の荒形の幣舞(右) 「弓立神楽」 ゆたちかぐら。悪鬼(あっき)が登場。宝に見立てた鈴をとるしぐさやいたずらをするしぐさ、驚かすしぐさをする。 太玉命(ふとだまのみこと)が弓と矢を持って登場し悪鬼を追い払う。「蒔き餅」が行われる。弓立神楽 悪鬼(左)、太玉命(右) 「春日舞」 かすがまい。天児屋根命(あめのこやねのみこと)が剣と和紙を持って舞う。天児屋根命の舞(左)、天児屋根命の面(右) 天児屋根命の剣を四方に立てての舞(左)、天児屋根命の年寄の幣舞(右) 「陰陽神楽」 いんようかぐら。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと) 2神による大八島の国生み神話を題材にした舞。鏡を持って舞う。陰陽神楽、鏡を持って舞う2神、左が伊邪那岐命、右が伊邪那美命(左)、同じく鏡を持って舞う2神(右) 伊邪那岐命の面(左)、伊邪那美命の面(右) 鈴を持って舞う2神による幣舞(左)、同じく2神による幣舞(右) 「主福神楽」 しゅふくかぐら。事代主命(ことしろぬしのみこと=恵比寿神)、大巳貴命(おおなむちのみこと=大国主命)による 恵比寿・大国の舞。事代主命がユニークな釣りをする舞を披露、大巳貴命は打ち出の小槌を振りながら舞う。 豊漁豊作を祈願する舞。「蒔き餅」が行われる。鯛を釣り上げた事代主命(左)、恵比寿、大国揃っての舞(右) 釣りをする事代主命(左)、恵比寿、大国の蒔き餅(右) 「素戔嗚尊の八岐大蛇退治」 すさのおのみことのやまたのおろちたいじ。従来の演目には無く、新たに番外として演じられる。 素戔嗚尊が八岐大蛇を退治したという出雲(現在の島根県)に伝わる神話に基づく。 火男(ひょっとこ)が酒の入った甕を置く。続いて父親の足名惟命(あしなづちのみこと)と 人身御供の櫛稲田姫(くしなだひめ)が入場。櫛稲田姫をおいて足名惟命が退場すると八岐大蛇が登場する。 八岐大蛇は酒の入った甕を見つけて酒を飲む。ちょうど酔っ払ったところに素戔嗚尊が颯爽と出てくる。 素戔嗚尊は、八岐大蛇を退治し、荒形の幣舞を舞う。 最後は、八岐大蛇から出てきたとされる天叢雲剣(草薙剣)を持った櫛稲田姫を従えて退場する。甕の酒を飲む八岐大蛇(左)、火男(右) 八岐大蛇の頭部(左)、足名惟命(右) 素戔嗚尊登場(左)、足名惟命と櫛稲田姫(右) 素戔嗚尊の面(左)、櫛稲田姫の面(右) 八岐大蛇を退治する素戔嗚尊(左)、素戔嗚尊の荒形の幣舞(右) 丸い目が特徴の火男の面(左)、同じく細長い目が特徴の火男の面(右) 「喜徳神楽」 きとくかぐら。手力雄命(たじからのみこと)が登場。岩を掲げ岩戸を開く舞から始まる。 三つ目の山の神、大山祇命(おおやまつみのみこと)が登場。「蒔き餅」が行われる。 最期に手力雄命が三方の受け皿を持ち、大山祇命が三方の土台を持って荒形の幣舞を踊り終演となる。岩戸入口の岩を持って舞う手力雄命 手力雄命(左)、大山祇命(右) 手力雄命と大山祇命による三方を持った荒形の幣舞 小栗内外大神宮 茨城県筑西市小栗1。小栗内外大神宮の地図 アクセス 【自動車】北関東自動車道桜川筑西インターチェンジから国道50号などを経て約10km。 【公共交通機関】JR水戸線新治駅からタクシー、約6km。
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