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潮来祇園祭禮
茨城県潮来市の潮来地区で8月の第1金曜日から3日間に渡って開催される潮来祇園祭禮。
素鵞熊野神社の例祭で、800余年の歴史と伝統がある。
2基の神輿と14基の山車が登場する。山車は屋台屋上に飾られた大人形が特徴のいわゆる佐原型山車。
潮来祇園祭禮は、素鵞熊野神社の御神体を神輿に乗せ潮来地区の御仮殿に遷座して行われる祭り。 初日に神様が神社から潮来地区に渡御する「お浜下り」が行われ、3日目に神様が神社に還御する「お山上り」が行われる。 祭り期間中は潮来地区の14の町から山車が出て町内を巡行する。 素鵞熊野神社は、1877(明治10)年、長く相殿として祀られていた素鵞神社と熊野神社が合祀されたもの。 素鵞神社は、858(天安2)年、漁夫によって外浪逆浦から引き揚げられた神輿を祀ったのがはじまりとされる。 熊野神社、天正年間(1573〜86年)に熊野三社を参詣した村人が熊野三社権現として勧請した。 1696(元禄9)年、徳川光圀公の命により、両社は現在の天王山に祀られることになったという。 祭礼時に山車で芸座連により奏でられる祭囃子「潮来ばやし(獅子舞を含む)」は、茨城県指定部系文化財。 天安年間(857〜59年)ごろに見られる田楽、神楽囃子に源を発するという古い歴史を持つ。 芸座連は大太鼓、小太鼓、大鼓(おおつづみ)、小鼓(こづつみ)、鉦、笛で、10〜15人編成。 曲目はさんぎり、馬鹿ばやし、花三番などから最近の新しい曲もある。また獅子舞は祭礼で神社に奉納される。 2人立ちで御幣を持って舞う。天の岩戸、神のいさめ、悪魔祓い、太平楽などの舞がある。、 このほか、上丁(上壱丁目、上町)、下丁(下壱丁目、下町)、四丁目(天王町)の3台の山車=下記参照=は、 特に彫物が精巧かつ華麗であり、民俗学的に価値が高いとして茨城県の文化財に指定されている。 なお会場となる潮来市潮来地区は、祭り期間中の3日間、大幅な交通規制が実施される。 アクセス 公共交通機関はJR鹿島線「潮来駅」下車すぐ。 自動車は東関東自動車道「潮来IC」から約20分。 常磐自動車道「土浦北IC」から約40分。 駐車場 潮来市内各所に無料市営駐車場有。 神輿 素鵞熊野神社の歴史的な経緯から2つの神輿がある。素鵞神社の天王様と熊野神社の権現様がある。天王様 権現様 山車 山車は14台ある。欅造りで芸座連が屋台に乗って演奏する。屋台の勾欄などには高彫という彫物が施されているものが多い。 山車には4つの木製車輪があり移動できる。舵はついていないため曲がるためには技術が必要だが、その山車をさらに 「のの字廻し」や「そろばん曳き」など「曲曳き」する。 屋台の上に大型の飾り物がつけられている。4mを超えるような巨大な人形もある。 だだし、巡行中の山車は飾り物が電線などにひっかかるため小さく納められている場合が多い。 山車の芸座連が奏でるのは「潮来ばやし」で茨城県無形民俗文化財に指定されている。 なお、三丁目は獅子舞を担当するため、先頭に獅子頭がある。このため飾り物がついていない。三丁目 神社や御仮殿などで獅子舞を披露する。14町中特別な山車で、獅子頭を山車先頭にのせており、唯一飾り物をつけていない。 三丁目山車 上壹丁目 上町。上丁。山車は茨城県指定文化財。1820(文政3)年、現在の千葉県香取市佐原の本川岸区が製作したもの。 1882(明治15)年に同地区が譲り受けたと伝えられている。1984(昭和59)年、 老朽化のため彫物が施された勾欄などを使い復元した。飾り物は日本武尊。 上壹丁目山車(左)、山車飾り物の日本武尊(右) 下壹丁目 下町。下丁。山車は茨城県指定文化財。1868(明治元)年から製作が開始され、1872(明治5)年に完成した。 製作者は宮大工とされるが氏名は不明。山車の前に立てる幟と唐獅子がある。飾り物は福俵と白鼠。 下壹丁目山車(左)、山車飾り物の福俵と白鼠(右) 夜の下壹丁目 四丁目 天王町。山車は茨城県指定文化財。1872(明治5)年から製作が開始され、1875(明治8)年に完成したとされる。 製作者は下壱丁目と同じとされる。飾り物は天乃岩戸。 天照大神、猿田彦命、手刀男命、天鈿女命の4体の神様が天照大神が岩屋に隠れた日本神話の場面を表現している。 四丁目山車(左)、山車飾り物の天乃岩戸(右) 夜の四丁目山車 五丁目 飾り物は源頼政。源頼政と猪早太の鵺(ぬえ)退治を題材にしている。 五丁目山車(左)、山車飾り物の源頼政(右) 西壹丁目 飾り物は神武天皇。 西壹丁目山車(左)、山車飾り物の神武天皇(右) 濱壹丁目 飾り物は神功皇后。 濱壹丁目山車(左)、山車飾り物の神功皇后(右) 夜の濱壹丁目山車 貮丁目 飾り物は大国主命。 貮丁目山車(左)、山車飾り物の大国主命(右) 夜の貮丁目山車 六丁目 飾り物は弁慶。 六丁目山車(左)、山車飾り物の弁慶(右) 夜の六丁目山車 七丁目 飾り物は素戔鳴尊。 七丁目山車(左)、山車飾り物の素戔鳴尊(右) 夜の七丁目山車 八丁目 飾り物は静御前。 八丁目山車(左)、山車飾り物の静御前(右) 夜の八丁目山車 七軒町 飾り物は源義経。 七軒町山車(左)、山車飾り物の源義経(右) 夜の七軒町山車 大塚野 飾り物は本田平八郎忠勝。 大塚野山車(左)、山車飾り物の本田平八郎忠勝(右) 夜の大塚野山車 あやめ二丁目 飾り物は真田幸村。 あやめ二丁目山車(左)、山車飾り物の真田幸村(右) 夜のあやめ二丁目山車 初日 お浜下りお浜下りは、天王山にある素鵞熊野神社から神輿が出御し、天王河岸にある御仮殿に向かう一連の神事。 お浜下りに先立ち神社社殿前で奉納される獅子舞 お浜下りの神輿の列を先導する猿田彦 神輿の列の各町提灯(左)、同じく宮司(右) 御仮殿に到着した天王神輿と権現神輿 十番渡御 御仮殿から十番御分社まで5年に一度行われる水上渡御。西暦で年の1桁目が0年と5年に行われる。 御座船に素鵞社の天王様と熊野社の権現様の両神輿をのせ、船団を組んで十番御分社に向かう。 初日、お浜下りで御仮殿に到着した両神輿は、神職や多くの祭り役員とともに御座船にのり天王河岸から午前10時30分出発。 神輿や神職がのる御座船はじめ、猿田彦大神やお囃子などがのる「一番船」、神輿の担ぎ手などがのる「二番船」から「六番船」まで、7隻の船団で向かう。 船団は、天王河岸から前川を下り常陸利根川(北利根川)に。一度水郷大橋方面に進んだ後、常陸利根川を約3km下流の御分社に向かった。 御分社では神事、獅子舞の奉納などがあった。この後10番区を渡御、夕方までに再び水上渡御して御仮殿に戻る。 天王河岸で神輿を御座船にのせる(左)、前川を進む神輿をのせた御座船(右) 常陸利根川を下る船団(左)、十番御分社前の川岸で船を降りる(右) 御座船からおろされる天王神輿(左)、同じく権現神輿(右) 十番御分社に到着した両神輿(左)、同じく御分社での神事(右) 御分社前での奉納獅子舞 中日 4年一度「総曳」が行われるほか、それ以外の年は夕方から西部地区を会場に「七丁連合」が、東部地区を会場に「東部合同曳き」と題して合同での山車巡行や踊りの披露などが行われる。総曳 その名の通り4年に一度、すべての山車が参加し、1日かけて潮来の市街地を巡行する。 総曳での山車曳き回しの様子 同じく総曳ですれ違う山車 七丁連合 上壱丁目、下壱丁目、西壱丁目、濱壱丁目、貮丁目、あやめ二丁目、大塚野が参加する。 潮来駅前での七丁連合の踊り披露 東部合同曳き 七軒町、四丁目、五丁目、六丁目、七丁目、八丁目が参加する。 合同曳きを前に整列した山車 最終日 お山上りお山上りは、天王河岸にある御仮殿から天王山にある素鵞熊野神社へ神輿が還御する一連の神事。 大幟旗 祭りの目印となる大幟。前川沿いに9カ所、北利根川沿いに1カ所の10カ所にたてられている。 前川沿いにあるのが下壱丁目、弐丁目、三丁目、御仮殿、四丁目、五丁目、六丁目、七丁目、八丁目。北利根川沿いが十番御分社。下壱丁目幟(左)、弐丁目幟(中)、三丁目幟(右) 御仮殿幟(左)、四丁目幟(中)、五丁目幟(右) 六丁目幟(左)、七丁目幟(中)、八丁目幟(右) 十番御分社幟 新元号記念山車曳き 2019(令和元)年5月12日、「奉祝天皇陛下御即位 新元号記念山車曳き」が行われた。 潮来市潮来の旧アイモア(ショッピングセンター)駐車場を会場に式典が行われ潮来地区14台の山車に加え辻地区、硯宮神社の山車、 横須賀地区、諏訪神社の山車の合わせて16台が集結。それぞれ天皇陛下の御即位と新元号を祝い、山車は華やかに飾り付けられ参加した。 式典では鏡開きや踊りの競演などが行われ多くの人たちでにぎわった。 また式典終了後は、地元地区に戻り夕方6時まで山車曳きが行われた。記念山車曳き式典会場に勢揃いした16台の山車 記念山車曳き式典で勢揃いした山車の前で鏡開きする若連頭ら(左)、 同じく山車の前で踊りが披露されにぎわう会場(右) 西壱丁目 記念曳きでの西壱丁目山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の神武天皇(右) 辻 記念曳きでの辻硯宮神社山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の応神天皇(右) 横須賀 記念曳きでの横須賀山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の建御名方神(右) 濱壱丁目 記念曳きでの濱壱丁目山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の神功皇后(右) 大塚野 記念曳きでの大塚野山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の本田平八郎忠勝(右) 八丁目 記念曳きでの八丁目山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の静御前(右) 七軒町 記念曳きでの七軒町山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の源義経(右) 七丁目 記念曳きでの七丁目山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の素戔鳴尊(右) 上壱丁目 記念曳きでの上壱丁目山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の日本武尊(右) 六丁目 記念曳きでの六丁目山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の弁慶(右) 下壱丁目 記念曳きでの下壱丁目山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の福俵と白鼠(右) 五丁目 記念曳きでの五丁目山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の源頼政(右) 四丁目 記念曳きでの四丁目山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の天乃岩戸(右) 貮丁目 記念曳きでの貮丁目山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の大国主命(右) 三丁目 記念曳きでの三丁目山車 あやめ二丁目 記念曳きでのあやめ二丁目山車(左)、同じく記念曳きで山車飾り物の真田幸村(右)
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