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金村別雷神社
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金村別雷神社(かなむらわけいかづちじんじゃ)は、つくば市西部、つくば市上郷の小貝川畔の堤外地に鎮座する。 水戸市の別雷皇太神、群馬県板倉町の雷電神社とともに関東3雷神とされる。地元では「雷神さま」として親しまれている。 祭神は別雷大神(わけいかづちのおおかみ)。雷を支配する神で、農作物を育てる恵みの雨をもたらす和魂(にぎみたま) と、霹靂一声、邪気を払い、あらゆる災難を除く荒魂(あらみたま)の面を持つ。剛、温と両面の神格を有するという。 創建は931(承平元)年3月15日、当時の領主、豊田氏が霊夢に感じて京都の加茂別雷神社(上加茂神社)の分霊を この地に奉斎したと伝えられる。これは江戸時代にまとめられたとされる社伝によるものという。 ただし、豊田氏の祖である平政幹が豊田将基と名乗るのは前9年の役(1051〜1062年) の戦功で豊田郡を賜ってからである。また、931(承平元)年ごろ豊田郡を支配していたのは平将門と思われる。 なお神社がある場所は下総国と常陸国の国境であり、小貝川と鬼怒川の広大な氾濫原の中にあったと想定できる。 1985(昭和60)年、つくば市合併前の旧豊里町発行の『豊里の歴史』では、「豊田家初代領主将基によって、 五穀豊穣を祈願する神社として、西加茂別雷神社の分霊を勧請して創建された由緒の高い神社」とある。創建年についての記述はない。 神社には後冷泉天皇から賜った「つぐみ龍」紋の神旗がある。この龍紋は神紋ともなっている。 1873(明治6)年、郷社。1930(昭和5)年、奉斎壱千年祭。1980(昭和55)年、奉斎壱千五十年祭。 2030年、奉斎壱千百年祭(予定)。 御利益は、家内安全、商売繁盛、交通安全、雷除け、厄除けなど。最近では雷が“落ちない”から合格祈願なども多い。 拝殿、左に回廊、右に神楽殿 二の鳥居前 神社前、小貝川に架かる福雷橋から見た小貝川と金村別雷神社の森(左)、神社入口、右に見えるのが一の鳥居(右) 鳥居 一の鳥居と二の鳥居がある。一の鳥居 一の鳥居は、神明鳥居で、建立は1924(大正13)年。 鳥居向かって右側の柱に「神徳宏遠」、左側の柱に「皇運典窮」の文字が刻まれている。 また左側の柱の裏に「東宮御成婚記念 大正十三年十一月一日建之」とある。 右側の柱の脇にある社号標には「金村別雷神社」の上に郷社を消した跡が残っている。 一の鳥居(左)、鳥居の向かって右側にある社号標(右) 二の鳥居 二の鳥居は、明神鳥居。「別雷神社」の扁額が架かる。1978(昭和53)年4月の建立。 鳥居手前の左側に社号標。右側に奉斎壱千年祭の記念碑がある。 社号標、碑の外側に大幟立てがある。 社号標には「金村別雷神社」の上に「茨城県指定文化財」「茨城百景」と刻まれている。 二の鳥居(左)、二の鳥居に掲げられている扁額(右) 社号標(左)、奉斎記念碑(右) 大幟 参道 一の鳥居と二の鳥居の間の参道は桜並木となっている。一の鳥居近くに大エノキ、大ケヤキがある。 また、二の鳥居近くには灯篭、狛犬がそれぞれ一対ある。参道 大エノキと大ケヤキ(左)、同じく風格を見せる幹周り(右) 二の鳥居前、手前に灯篭、その先に狛犬 狛犬 二の鳥居前と拝殿前に一対づつある。二の鳥居前にある狛犬は下館講の奉納、 拝殿前の狛犬は旧水海道市の商店主によって奉納されたもので、108件の商店名が台座に刻まれている。二の鳥居前にある狛犬吽形(左)、同じく狛犬阿形(右) 拝殿前にある狛犬吽形(左)、狛犬阿形(右) 狛犬の手前から見た拝殿 手水舎 二の鳥居の先、右側にある。入母屋造り銅板葺き。水盤には「奉納」「町長退任記念」「昭和五十四年四月一日」とあり、 当時の豊里町町長が退任記念に奉納したもの。手水舎全景(左)、水が出る龍口(右) 拝殿前 拝殿前。二の鳥居と拝殿の中間地点付近に大灯篭。大灯篭と拝殿の間に狛犬。 さらに拝殿のすぐ前に天水桶がある。天水桶は1980(昭和55)年、奉斎壱千五拾年祭記念事業の一環として奉納されたもので、 左側が千葉県流山市の西深井講、右側が東京都江戸川区の東小松川講。また、拝殿向かって左側に由緒を刻んだ石碑がある。 なお、拝殿と二の鳥居の間は銀杏並木となっており、秋には紅葉が美しい。大灯篭 天水桶、拝殿向かって左側(左)、同じく右側(右) 拝殿前にある金村別雷神社の由緒を書いた碑 拝殿 拝殿は、入母屋造り、千鳥破風付。1879(明治12)年の再建で、1980(昭和55)年、奉斎壱千五拾年祭記念事業の一環で、 屋根が銅板で葺き替えられた。つくば市指定文化財。蛙股には色鮮やかな龍の彫刻が施されている。扁額は右側から「別雷神社」と 書かれており、1920(大正9)年4月、吉川町平沼百名講中の奉納。拝殿 龍が彫られた蛙股(左)、扁額(右) 賽銭箱の正面に取り付けられたつぐみ龍紋 本殿 本殿は一間社流造り。こけら葺き。1708(宝永5)年、あるいは1714(正徳4)年の再建とされる。 覆屋は1831(天保2)年の建立で、入母屋造り、銅板葺き。 本殿(附棟札1枚)及び覆屋は1991(平成3)年1月25日、茨城県指定文化財。本殿及び覆屋 本殿向かって左側側面の彫刻(左)、同じく本殿向かって右側側面の彫刻(右) 本殿覆屋 神楽殿 神楽殿は、拝殿向かって右側にあり、拝殿とは回廊で結ばれている。 1879(明治12)年の再建。入母屋造り瓦葺き。つくば市指定文化財。神楽殿 回廊 回廊は、拝殿と神楽殿、拝殿と社務所・参集殿を結ぶ。1879(明治12)年再建。つくば市指定文化財。回廊、拝殿、社務所間(左)、同じく回廊、拝殿、神楽殿間(右) 社務所 拝殿とは回廊で結ばれている。祈祷などの受付が行われる。 お守りやお札を販売する守札授与所が社務所拝殿寄りに設けられている。社務所(左)、守札授与所(右) 参集殿 社務所北側に接してある。参集殿 末社 本殿の裏手に末社をまとめた社殿が建てられている。 左から丹生神社、角身神社、神明神社、身代神社、須賀神社、稲荷神社、貴舩神社、養蚕神社、八幡神社、厳嶋神社、 天満社、愛宕神社、鹿嶋神社、科戸神社の14社。 合祀殿向かって左後ろ側に石祠の雷電宮がある。覆屋に囲まれている。 また、石碑に刻まれた松尾神社が同じく本殿裏東側にある。丹生神社(にふじんじゃ)祭神は丹生都比売命(にふつひめのみこと)。塗料・塗装業の神。 角身神社(つぬみじんじゃ)祭神は角材命(つのぐいのみこと)、妹角材命(いもつのぐいのみこと)。 山林野における伐採、植林、狩猟をつかさどる神。 神明神社(しんめいじんじゃ)祭神は大日孁貴命(おおひるめむちのみこと)。 身代神社(このしろじんじゃ)祭神は賀茂建角身命(かものたけつみのみこと)。子宝、安産の神。 須賀神社(すがじんじゃ)祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)。牛頭天王(ごずてんのう)。病気平癒の神。祇園祭。 稲荷神社(いなりじんじゃ)祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)。農業の神。 貴舩神社(きふねじんじゃ)祭神は游迦美命(おかみのみこと)。水の神。 養蚕神社(ようさんじんじゃ)祭神は保食命(うけもちのみこと)。紡績業、衣料の神。 八幡神社(はちまんじんじゃ)祭神は応神天皇。勝負事の神。 厳嶋神社(いつくしまじんじゃ)祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。弁天様。交通安全の神。美人の神。 天満社(てんまんしゃ)祭神は菅原道真命(すがわらのみちざねのみこと)。学問の神。毎月25日が例祭。元太宰府神社。 愛宕神社(あたごじんじゃ)祭神は加具土命(かぐつちのみこと)。火の神。防火の神。 鹿嶋神社(かしまじんじゃ)祭神は武甕槌命(たけみかずちのみこと)。勝負の神。交渉の神。 科戸神社(しなどじんじゃ)祭神は科津彦命(しなつひこのみこと)、科津姫命(しなつひめのみこと)。 風の神。元科戸邊神社(しなとべじんじゃ)。 松尾神社(まつおじんじゃ)。松尾大明神。祭神は大山祇命(おおやまつみのみこと)。酒の神。 末社 松尾大明神(左)、雷電宮(右) 神輿 白木の大神輿。流造りの神輿で、漆塗などはされていない。 戦後間もなくまで担がれており、小貝川に入る川渡御が行われていたという。 本殿脇から小貝川に出て、下流の鳥居脇で引き揚げ、参道を通り戻ったとされる。例大祭で展示された神輿 神輿殿 二の鳥居から右手奥にある。本殿と同じ形をした神輿が納められている。屋根は入母屋造り。2階建て。 1階に古い花火の筒のようなものが収納されおり、神輿は2階にある。神輿殿 竹垣代官徳政碑 竹垣代官徳政碑は、1793(寛政5)年から、この地にあった代官所に赴任した竹垣三右衛門直温(なおあつ)の徳政に感謝するため建立されたもの。 「竹垣君徳政之碑」と刻まれている。当時、天明の飢饉により荒廃していたこの地方を立て直すため、農業振興を図るための勧農政策を進めた。 まず、働き手となる人口を増やすため、間引きを禁止し、出産すると養育料を与え、成人すると鍬や万能を支給した。 1814(文化11)年11月8日、77歳で亡くなると、竹垣代官の厚恩を後世に残そうと、翌1815(文化12)年3月、この碑が建立された。 また、子供の健全な育成に努めたことから、近年の信仰ではあるが、徳政碑の前には、「子宝・子育て石」があり、 この碑をなでると子宝に恵まれるという。竹垣君徳政之碑(左)、子宝・子育て石(右) 日露戦役記念碑 揮毫は、乃木希典陸軍大将。日露戦役記念碑 御榊山 二の鳥居の先、右側にある。榊山 神池 神社の社殿裏にある池。神池 神池前にある龍のオブジェ(左)、同じく神池の鳥居(右) 詰所 二の鳥居のすぐ先、左側にある。詰所 広場 神社東側にある。子供用の遊具なども置かれており、小さな公園にもなっている。 また、東側の参道に接している。子供用遊具も置かれている広場 御朱印 墨書で右から、つくば市上郷金村鎮座、金村別雷神社、奉拝日付。 朱印は右から霹靂一聲、つぐみ龍紋の金村別雷神社の印が大小2種類押されている。 授与は社務所。御朱印(左)、天皇陛下御即位を記念し「奉祝」の文字が書かれた御朱印(右) 例大祭 毎年4月の第2土、日曜日に行われる春季例大祭と同じく11月23日の勤労感謝の日に行われる秋季例大祭がある。春季例大祭は、931(承平元)年3月15日、この地に奉斎したことを記念し、以前は旧暦3月15日に行われていた。 農作物の豊作を祈願する祭り。 秋季例大祭は、いわゆる新嘗祭で、収穫に感謝する祭り。春の祈願と秋の感謝が対となっている。 両例大祭とも、露天や植木市が開かれるななど多くの人でにぎわう。 参道の桜の花が美しい春季例大祭 銀杏の紅葉が美しい秋季例大祭 御目覚祭 1月1日に行われる。歳旦祭。元日祭。 午前1時一番祈祷。午前7時御目覚祭神事。秋の例大祭で眠りに入った龍神が目覚める。 午前零時から常陸乃国上郷中央囃子会の奉納演奏がある。御目覚祭、拝殿の東西で行われる的を射る神事 新年を迎えた境内(左)、同じく奉納太鼓(右) 田倉三匹獅子 つくば市田倉に伝わる田倉三匹獅子が、2021(令和3)年4月11日の春季例大祭で奉納された。 三匹獅子は同年3月、1985(昭和60)年の科学万博で披露されて以来、36年ぶりに復活のお披露目がされていた。 詳細はつくば市の文化財へ。田倉三匹獅子 田倉三匹獅子での狐(左)、獅子頭(右) 上郷祇園祭中央神輿百年祭 2024(令和6)年1月1日午前零時から、上郷祇園祭の中央神輿が金村別雷神社の境内で担がれた。 これは、中央神輿が1924(大正13)年に購入され、2024(令和6)年に100年を迎えることから100年祭の一環として行われた。 同日は、安全祈願祭、鏡開きなどを行った後、神輿会の中央睦会などを中心に初担ぎを行った。中央神輿は、金村別雷神社のあるつくば市上郷の中央地区で行われている「上郷祇園祭」で担がれている。 上郷祇園祭の行われる上郷八坂神社が金村別雷神社の兼務社であることなどもあり、さらに上郷祇園祭で御囃子を担当する常陸乃国上郷中央囃子会 が同神社で毎年奉納演奏をすることなどもあり、100年祭が同会とコラボで行われた。 百年祭での中央神輿 骨董市 毎月第2土曜日に開催される。参道の両側に骨董の露店が並ぶ。2018(平成30)年5月12日、第1回が行われた。参道で行われている骨董市 東経140度 金村別雷神社は、境内を東経140度線が通るパワースポットでもある。一の鳥居東側の雑木林から神楽殿の東側付近に抜けている。画面中央を前後に東経140度が通る。 ロケ地 映画やテレビの時代劇を中心に多くの作品でロケが行われている。アクセス つくば市上郷8319。【車】 常磐自動車道、谷和原インターチェンジを「筑西」「常総」方面に出て国道294号線を北上、 三坂新田西交差点を右折、小貝川を渡り、圏央道の高架をくぐった先の信号を左折、黄色の点滅を左折、 小貝川の土手のところの丁字路を左折して堤防を越え、福雷橋手前を右折すると神社。 つくば市上郷8319。金村別雷神社入口の地図 【公共交通機関】 関東鉄道常総線三妻駅下車約3.2km、徒歩約40分。 つくばエクスプレスみどりの駅ないし万博記念公園駅でつくバス西部シャトル、金村別雷神社入口バス停下車約1.5km、徒歩約20分。 つくば市上郷。金村別雷神社入口バス停の地図
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