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蛟蝄神社
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蛟蝄神社(こうもうじんじゃ・みつちじんじゃ)は、北相馬郡利根町立木に鎮座する神社。 門の宮(かどのみや)と奥の宮(おくのみや)からなる。延喜式にも記述のある式内社で、関東最古の水神様とされる。旧郷社。下総国相馬鎮守。 祭神は罔象女大神(みつはのめのおおかみ)で水をつかさどる女神。相殿神として、土をつかさどる埴山姫大神(はにやまひめのおおかみ)、 木をつかさどる句句廻馳大神(くくのちのおおかみ)、火をつかさどる軻遇突知大神(かぐつちのおおかみ)、 金属をつかさどる金山彦大神(かなやまひこのおおかみ)、お稲荷さんとして親しまれる商売繁盛の倉稲魂大神(うかのみたまのおおかみ)、 八岐大蛇退治で知られる厄難除けの素戔嗚尊(すさのをのみこと)、学問、出世の菅原道真公(すがわらのみちざねこう)、 そして八幡様として知られる国家鎮護の誉田別大神(ほんだわけのおおかみ)が祀られている。 創建は紀元前288年(約2300年前)、現在の門の宮の場所に罔象女大神を祀ったのがはじまりとされる。 698年に埴山姫大神を合わせて祀った。その後、水害などの心配により、現在の奥の宮の場所である東の高台に神社を建て移転したという。 元の場所は取り壊されるはずだったが、氏子や崇敬者によって、再び祭神を分祀している。このため、両宮に拝殿、本殿がある。 平安時代にまとめられた延喜式神名帳では「下総国相馬郡一座小社蛟蝄神社」と記載されている。 1598(慶長3)年、徳川家康公が再建を命じる。相馬郡文間郷28ヶ村の総鎮守と定められている。 門の宮と奥の宮を合わせて「文間両社大明神(もんまりょうしゃだいみょうじん)」とも呼ばれる。 蛟蝄の名称は、この地域の周辺がまだ海だったころ大地の形が蛟(みつち=龍)に似ていたという説が有力という。 通常は「こうもう」神社と呼ばれるが正式には「みつち」神社とされる。また、祝詞では「みつちのかむやしろ」と奏上される。 1909(明治42)年、立木地区にあった八坂神社、天神社、稲荷神社、八幡神社を合祀した。神紋は「左三つ巴」。 祈祷等は奥の宮で行われている。御守り、御朱印の受付も奥の宮となる。 2012(平成24)年、鎮座2300年を迎えたことから、2011(平成23)年から2017(平成29)年までの6年間をかけて 「御鎮座2300年奉祝記念事業」が行われた。主要事業は奥の宮本殿修復工事、奥の宮幣殿拝殿改修工事、奥の宮参道修復工事、門の宮社殿修復工事。 2017(平成29)年12月26日、奥の宮本殿瑞垣設置工事の完了で記念事業が終了した。 門の宮 立木貝塚の上に建つ。朱色の鳥居がシンボル。また、大きな銀杏の木が御神木となっている。本殿 現在の本殿は1698(元禄11)年の再建。大きな修理は幾度となく行われている。また屋根はトタン葺に改修されている。 流造り方9尺。利根町指定文化財。 門の宮本殿 門の宮、本殿の彫刻向かって左側(左)、同じく右側(右) 拝殿 拝殿は寄棟造、間口6間、奥行3間。御鎮座2300年奉祝記念事業で屋根の改修が行われた。 門の宮拝殿(左)、拝殿扁額(右) 門の宮拝殿の彫刻(左)、門の宮、改修前の拝殿(右) 鳥居 明神鳥居の1種である台輪鳥居に4本の控柱がついた両部鳥居。扁額は「蛟蝄神社」で、社の文字に点が入っているのが特徴。 アニメ「君の名は」の宮水神社のモチーフとなっている。 門の宮の鳥居 手水舎 参道脇、拝殿向かって右手前にある。 門の宮の手水舎 とね七福神 とね七福神は、利根町にある7社寺で構成され、行程は約12km。門の宮には大黒天が祀られている。鳥居をくぐってすぐ右側に大黒天の石造がある。 このほかは恵比寿天・布川神社、毘沙門天・満徳寺、弁財天・来見寺、布袋尊・円明寺、寿老人・応順寺、福禄寿・早尾天神社にそれぞれ石像がある。 門の宮に祀られている大黒天 境内社 門の宮には、多くの境内社が祀られている。参道脇にある猿田彦大神もそのひとつ。1888(明治21)年3月建立。 参道脇にある猿田彦大神 銀杏 参道鳥居脇にある銀杏。御神木とされる。 紅葉した門の宮の大銀杏(左)、大銀杏の幹(右) 立木貝塚 東西150m、南北50m、砂丘上にある貝塚でヤマトシジミ、マシジミが主なものだが、100個以上といわれる日本最多級の土偶出土を誇る。 奥の宮 奥の宮は、門の宮から約800mほど東の台地上にある。周辺は立木緑地環境保全地域に指定される緑豊かな鎮守の杜の中にある。本殿 現在の本殿は1703(元禄16)年の再建。1933(昭和8)年銅板葺。流造り方9尺。利根町指定文化財。 御鎮座2300年奉祝記念事業で大幅な改修が行われた。 奥の宮本殿(左)、本殿の彫刻(右) 拝殿 拝殿は、御鎮座2300年奉祝記念事業で新築された。2014(平成26)年5月、旧拝殿の解体工事を実施。同年6月には地鎮祭を行った。 2015(平成27)年12月15日、遷座祭を実施、完成した。 これまでの寄棟造の屋根から入母屋造の屋根に変更になった。 拝殿の天井には、利根町在住の日本画家・藤田飛鳥氏による「白龍図」が描かれている。龍は蛟蝄神社の神従とされる。 奥の宮拝殿 奥の宮拝殿注連縄(左)、改修前の拝殿(右) 鳥居 参道の階段をのぼりきったところにある。花崗岩製の明神鳥居。 1827(文政11)年9月の建立で、傷みが激しくなってきたことから2017(平成29)年3月、左右の柱を取り替える修復工事を実施した。 笠木、貫、台座を残し柱のみが交換された。柱の片方には「点か泰平 国土安全」、もう一方には「五穀成就 萬民豊樂」とある。 扁額には門の宮と同じ「蛟蝄神社」だが、門の宮が社の文字に点があるのに対し奥の宮は神の文字に点がつけれている。 また額の周辺には猪目のハートマークがデザインされている。 奥の宮の鳥居(左)、扁額(右) 狛犬 唐獅子で、1652(嘉永5)年9月建立。奉納は信州上田侍従源忠優候。 奥の宮の狛犬参道左側(左)、全景(右) 奥の宮の狛犬参道右側(左)、全景(右) 燈籠 1810(文化7)年の建立。奉納は江戸京橋講中。 奥の宮の燈籠参道左側(左)、同じく右側(右) 手水舎 参道右側にある。 奥の宮の手水舎 参道 入口から77段の石段がある。1891(明治24)年に造られた。 奥の宮参道入口の階段 社務所 社殿右手前にある。近年建立されたもの。御札や御守、御朱印はこちらで授与。 社務所 参集殿 境内の南側にある。祈祷の待合などに使用。 参集殿 立木緑地環境保全地域 面積は1.57ha。緑地環境保全地域は、樹林地、池沼などが市街地や集落と一体になって良好な自然環境を形成している。 歴史的、文化的、社会的資産と一体となって良好な自然環境を形成していることなどが指定の条件となっている。 ばかまち 蛟蝄神社例大祭。かつて同神社の馬と鹿島神宮の鹿が交歓する日として「馬鹿まち」と呼ばれる。 毎年旧暦の9月14日から15日にかけて行われる神事。旧暦のため毎年行われる日にちが違う。同神社で最も重要な祭り。 少ない灯り、漆黒の闇に近い中で粛々と展開されるのも特徴。旧暦9月14日午後10時から奥の宮で神御衣替えの神事。儀式終了後、松明を先頭に門の宮に行列を組んで移動。 門の宮でも同じく神衣替えの神事を行った後、再び松明行列で奥の宮に戻る。 その後、氏子、崇敬者の無病息災を祈念するという湯立(ゆだ)て神事。 そして最後に御衣焚(みそた)き神事が執り行われる。 これは神様の着物である神御衣(かんみそ)を茅(かや)と眞菰(まこも)の松明の中に納め焚き上げる。 火が消えたところで参列者に直会(なおらい)となる。 奥の宮拝殿脇で行われる湯立て神事=2018年 最初に行われる奥の宮での神事=2018年(左)、門の宮を出る松明行列=2018年(右) 奥の宮拝殿前で行われる御衣焚き神事=2018年 夏越大祓・師走大祓 「形代」に罪、穢れを移し、茅の輪をくぐって祓い清めることで心身の活力を本来の姿に戻すための神事。 奥の宮の参道に茅の輪が設けられる。6月30日が夏越大祓、12月31日が師走大祓。6月30日は午後3時から実施、神事を行った後、茅の輪をくぐる。 夏越大祓で茅の輪をくぐる神職 奥の宮夏越大祓の茅の輪=6月(左)、奥の宮師走大祓の茅の輪=12月(右) 御朱印 蛟蝄の御朱印。もともと蛟蝄と書かれた御朱印のみだったが2020(令和2)年9月から門の宮の御朱印が授与されるようになった。 同時に御朱印に押される朱印が蛟蝄の御朱印には蛟蝄神社奥の宮の印が、門の宮の御朱印には蛟蝄神社門の宮の印が押されるようになった。オリジナル御朱印帳は奥の宮拝殿に描かれた「白龍図」。また新春にはその年の干支のオリジナル御朱印が限定で授与される。 干支オリジナル御朱印帳の絵は利根町在住の日本画家、石村雅幸氏によるもので、同氏は2020(令和2)年の子年から毎年干支の絵を奉納 しておりそれをもとに作られている。また、干支限定御朱印帳にのみ押印する朱印は、特別な手彫りのもので、 使う朱肉は、最高級の練り朱肉とされる「永吉齋」を使用している。 蛟蝄神社御朱印(左)、蛟蝄神社門の宮御朱印(中)、干支御朱印帳専用御朱印(右) オリジナル御朱印帳裏表紙(左)、同じく御朱印帳表紙(中左)、同じく干支御朱印帳表紙(中右)、同じく御朱印帳裏表紙(右) アクセス 奥の宮 北相馬郡利根町立木882。蛟蝄神社奥の宮の地図門の宮 北相馬郡利根町立木2184。蛟蝄神社門の宮の地図 【車】 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)、牛久阿見インターチェンジから茨城県道48号土浦竜ヶ崎線、茨城県道4号千葉竜ヶ崎線、 茨城県道209号立崎羽根野線を経て神社(奥の宮)。同じく圏央道、阿見東インターチェンジから茨城県道34号竜ヶ崎阿見線、茨城県道68号美浦栄線、 茨城県道209号立崎羽根野線を経て神社(奥の宮)。 【公共交通機関】 常磐線取手駅東口から大利根交通バス「立崎車庫」行、立木バス停下車徒歩約5分。 奥の宮入口の道路、ここを入って折り返すように右折すると左側に駐車場がある
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