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鉾田市

 茨城県鉾田市は、県の東部、太平洋(鹿島灘)に面した市。太平洋側の南北を国道51号が縦断する。 また、国道に並行し鹿島臨海鉄道大洗鹿島線が通る。 2005(平成17)年10月11日、鹿島郡鉾田町、同旭村、同大洋村が合併して誕生した。 人口は48,147人(2015年国勢調査)、面積は208.18平方km。
 旧鉾田町は、1955(昭和30)年3月15日、鉾田町と巴村、徳宿村、新宮村、秋津村が合併して成立。 東を鹿島灘にのぞんでいるほか、北浦に面しており、水戸から江戸へ舟運を利用して物資を送る際の中継地として栄えた。 茨城県の鹿行合同庁舎(鹿行県民センター)が置かれるなどその後も鹿行地区北部の中心都市。 合併前の人口は27,857人(2005年国勢調査)、面積は106.47平方km。
 旧旭村は、1955(昭和30)年3月3日、夏海村、大谷村、諏訪村が合併して誕生。東は鹿島灘、北は涸沼に接している。 合併前の人口は11,753人(2005年国勢調査)、面積は53.80平方km。
 旧大洋村は、1955(昭和30)年3月31日、白鳥村、上島村が合併して誕生した。東を鹿島灘、西を北浦に面している。 合併前の人口は11,444人(2005年国勢調査)、面積は43.63平方km。
涸沼茨城町・城里町へ。
霞ヶ浦、北浦、鹿行大橋水郷筑波国定公園へ。
涸沼自転車道(茨城県道500号茨城大洗自転車道)は茨城のサイクリングロードへ。
無量寿寺 むりょうじゅじ
 光明山無碍光院無量寿寺。浄土真宗本願寺派。本尊は阿弥陀如来。親鸞聖人二十四輩第3番。806(大同元)年、平城天皇の勅願寺として創建した。 はじめは無量寺といい、三論宗だった。その後時宗。
 1221(承久3)年、鹿島神宮参拝の帰途、親鸞聖人が滞在し、近郷の人々の教えを広めた。 高弟の順信坊に寺を任せ、寺号に寿の文字を加え無量寿寺に改めたという。 なお順信は、もと鹿島神宮の神官で、藤原鎌足の子孫と伝えられている。 寛文年間(1661〜72年)に建立された本堂、1725(享保10)年に建立された鐘楼、天正年間(1573〜92年)に建立された山門は、茨城県の文化財に指定されている。 いずれも茅葺屋根の重厚な造り。特に本堂の正面は唐破風造。 また、寺宝も多く残されており、なかでも土佐光信の筆による紙本著色拾遺古徳伝は国指定重要文化財。
 幽霊済度の伝説が残る。当地の地頭、村田刑部の19歳の妻が難産のため死去。同寺に葬られたが、2、3日後から幽霊となって姿を現した。 口は耳元まで裂け、目は血走り、それは恐ろしい姿で、住職も逃げ出す始末で、毎夜悲しい泣き声が響き渡ったという。 哀れに思った刑部や周囲の人たちは、成仏させたいと、鹿島神宮参拝のため通りかかった親鸞聖人に頼った。 聖人は、小石を集めそれに26612文字のお経を書写し、お墓に埋めて念仏を唱えた。すると恐ろしい姿の幽霊は菩薩に変わったとされる。
 境内にある菩提樹は、茨城県の天然記念物に指定されている。高さ約15m、幹周り2.3m。親鸞聖人お手植えと伝わる。 このほか、無量寿寺の樹叢、ケヤキ、焼カヤ、班入りイチョウは鉾田市の天然記念物に指定されている。
 鉾田市鳥栖1013。無量寿寺の地図
無量寿寺本堂
無量寿寺本堂。2021年(令和3)年1月21日、火事により焼失
無量寿寺鐘楼 無量寿寺入口
無量寿寺鐘楼(左)、無量寿寺入口(右)
無量寿寺 むりょうじゅじ
 親鸞聖人二十四輩第3番。順信房。真宗大谷派。順信坊の開山。 親鸞聖人は、鹿島神宮参拝の行き帰りにこの地方の教化に励んでいた。その際、1216(建保4)年、塔の峰に草庵を建てたことに始まるという。 鳥栖の無量寿寺にいた順信坊が晩年になって移り、草庵を寺にしたという。1633(寛永10)年、現在地に移る。 鳥栖の無量寿寺と同じく幽霊済度の伝説が残る。
 鉾田市下冨田542。無量寿寺の地図
無量寿寺本堂 無量寿寺山門
無量寿寺本堂(左)、山門(右)
鉾田の夏まつり
 鉾神社夏季例大祭。鉾田市中心市街地で8月の最終金曜日から日曜日までの3日間に渡って開催される。 金曜日が宵祭り、土曜日と日曜日が本祭り。鉾田市街地の中心部にある鉾神社(下記参照)の例大祭で無病息災、交通安全、五穀豊穣などを願って開催される。 宮御輿と8台の山車が出る。
 本祭りでは、土曜日の午前11時から鉾神社で発輿祭の神事を行い午後零時30分から神輿の宮出し。 宮出しでは当番町以外の山車が鉾田川沿いに整列、神輿を出迎える。その後川沿いに進み水神様まで向かい、その後氏子地域を渡御する。 午後10時、仮宮に到着する。 翌日曜日の午前10時から仮宮祭。午後5時仮宮を出社、宮出し同様、鉾田川沿いに山車が整列するなか午後9時30分、鉾神社に宮入りする。
 鉾田市中心市街地は、土曜日と日曜日の両日、県道18号線を中心に午後3時から午後10時まで歩行者天国となる。 無料駐車場も用意される。
 山車で奏でられる「鉾田囃子」は、祭りの山車巡行が始まった約100年前に「佐原囃子」や「石岡囃子」をもとにつくられたとされる。 各町内が独自の保存会で伝統を受け継いできたが現在は「鉾田囃子保存会」と一つに統合されている。 2022(令和4)年11月24日、鉾田市無形民俗文化財に指定される。
 山車などの詳細は特設ページ鉾田の夏まつりへ。
鉾神社例大祭
鉾田市街を練り歩く神輿と出迎える山車
大竹海岸鉾田海水浴場
 茨城県内でも有数の海水浴場。延長約900m、幅約30mの砂浜。海水浴エリアとサーフィンエリアに区切られ、安全に海水浴が出来る。  なお、ライフセービングの大会なども行われている。このほか鉾田市内には、汲上別所釜海水浴場(鉾田市汲上)、京知釜海岸海水浴場(鉾田市飯島)がある。
 鉾田市大竹。大竹海岸鉾田海水浴場の地図
大竹海岸鉾田海水浴場
大竹海岸鉾田海水浴場
鹿島灘海浜公園
 鹿島灘のほぼ中央に位置する海洋性レクリエーション拠点。国道51号線沿い、大竹海岸鉾田海水浴場の南側に隣接する。 国道51号線沿いの台地部と海岸に面した海浜部からなる。 台地部には多目的広場や太平洋を一望できる見晴らしの丘、ふれあいの鐘、遊具、休憩所、トイレ、1周420mのウオーキングコースなどがある。 休憩所の「海と森の郷」では、農産物や海産物の直売も行われている。 海浜部には、ピクニック広場や展望デッキ、そして海岸沿いにボードウオーク(遊歩道)がある。
 鉾田市大竹390。鹿島灘海浜公園の地図
鹿島灘海浜公園 海と森の郷
鹿島灘海浜公園(左)、休憩所の「海と森の郷」(右)
いこいの村涸沼
 涸沼湖畔にある公共の宿。温泉宿泊施設を中心に、多目的グラウンド、テニスコート、グラウンドゴルフ、パットゴルフなどの施設が併設されている。 また、施設内には、ヒヌマイトトンボの生息地ともなっている湿性植物園・アイリスパークがある。
 温泉は「ナトリウム塩化物、炭酸水素塩泉」で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩などに効能があるほか、「美人の湯」として人気がある。 また大浴場は、涸沼を見下ろす2階につくられており、雄大なレイクビューの景色を眺めながら入浴できる。
 鉾田市箕輪3604。いこいの村涸沼の地図
いこいの村涸沼 アイリスパーク
いこいの村涸沼(左)、アイリスパーク(右)
涸沼ヨットハーバー
 涸沼の南岸にあるヨットハーバー。海へも直行できることから釣りをする人などに人気のヨットハーバー。 また、汽水湖畔の陸上保管のため、潮風や海水による塩害がないため、エンジンや船体へのダメージが少ないという。 ボート免許の取得講習や涸沼ヨットレースなども行っている。
 鉾田市箕輪2513。涸沼ヨットハーバーの地図
鉾田市商工会イルミネーション
 鉾田市商工会館前駐車場を会場に行われている。このイルミネーションは、鉾田市商工会青年部が、東日本大震災で被災した 中心市街地に明るさを取り戻そうと2013(平成25)年から実施されている。 2020(令和2)年までは12月のみ、クリスマスまでの点灯だったが、2021(令和3)年から翌年まで期間延長した。 毎年テーマを決めて飾っている。点灯時間は午後5時から午後11時。12月1日から3月31日まで。
 鉾田市鉾田2482−1。鉾田市商工会の地図
鉾田市商工会イルミネーション
鉾田市商工会のイルミネーション、2021年のテーマは「東京の夜景」で東京タワーなどが出現した
昭和観光イルミネーション
 冬の鉾田を代表する観光スポットと言っても過言ではない人気のイルミネーション。 「茨城で最も華やか」ともいわれ、濃いイルミネーションが毎年行われている。
 イルミネーションには約10万個ともいわれるLEDが使われ、昭和観光の社員がおよそ3か月かけて準備するという。 点灯時間は日没から午後11時。12月上旬から2月末ごろまで行っている。
 鉾田市子生1。昭和観光の地図
昭和観光イルミネーション
昭和観光イルミネーション
ほっとパーク鉾田
 2種類の天然温泉が楽しめる温泉複合施設。温泉に加えトレーニングルームやプール、パークゴルフなどの施設がある。
 地下400mの源泉1号泉(鉾田温泉)は、ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉。褐色で無味、無臭。 地下1200mの源泉2号泉(鉾田当麻の郷温泉)は、ナトリウム塩化物強塩泉。無色、塩味で、微硫化水素臭がある。 露天風呂と大浴場に1号泉を、寝湯と全身部分浴に2号泉を使用している。圧注気泡浴、サウナ施設がある。
 鉾田市当間220。ほっとパーク鉾田の地図
ほっとパーク鉾田
ほっとパーク鉾田
ほっとパーク鉾田 ほっとパーク鉾田
ほっとパーク鉾田に置かれている廃線となった鹿島鉄道の車両
とっぷさんて大洋
 天然温泉の「たいよう温泉」を中心とした総合健康増進施設。鹿島灘を見下ろす高台に建てられており、露天風呂からは、松林の間ごしの太平洋を望める。
 温泉は、たっしゃかプラザ内にあり、泉質は、ナトリウム塩化物泉。やや塩味が強く褐色。神経痛や慢性皮膚炎、慢性婦人病、疲労回復などに効能があるという。
 このほか、温水プール、トレーニングルーム、フィットネスルーム、レストランなどがある。
 鉾田市上幡木1500−2。とっぷさんて大洋の地図
ほこた「ともえ荘」
 ほっとパーク鉾田と同一敷地内にある福祉施設。天然温泉を使った気泡風呂、ジェットバスが人気。泉質は、ナトリウム塩化物冷鉱泉。 このほか、大広間や食堂、売店、リラックスルームがある。
 鉾田市当間228−2。ほこた・ともえ荘の地図
ともえ荘
ともえ荘
鉾神社
 祭神は、大己貴命(大国主命)、武甕槌大神、日本武尊。由緒は不明だが、1576(天正4)年、鉾田城主の田山市正による奉斎とも伝わる。 鉾田総鎮守。
 鉾田の夏まつりは、鉾神社夏季例大祭。約400年の歴史がある。8月の最終金、土、日曜日に行われ、神輿や山車が市内を練り歩く(上記参照)。
 御朱印有。御朱印については御朱印・神社も参照。
 鉾田市鉾田2044。鉾神社の地図
鉾神社 鉾神社御朱印
鉾神社社殿(左)、御朱印(右)
大儀寺
 宝光山大儀寺。臨済宗の寺。松尾芭蕉ゆかりの寺として知られ、境内には多くの句碑がある。 本尊は聖観世音菩薩坐像。安産、無病息災の観音様として信仰されている。薬師堂に安置されている薬師如来は眼病平癒に御利益がある仏様として知られる。 また境内の阿弥陀如来の地蔵尊は、イボとり地蔵といわれる。 1596(慶長元)年の創建とされる。松尾芭蕉と親交のあった仏頂禅師が、中興開山とされる。 1687(貞享4)年、松尾芭蕉は、鹿島詣での折、この寺を訪ねたとされる。 境内には「大儀寺境内俳句の里」の標識がたち、竹林のなかには芭蕉やその門人、全国の俳句愛好者が建てた自作の句碑約180基がある。
 鉾田市阿玉614。大儀寺の地図
大儀寺山門 大儀寺薬師堂
大儀寺山門(左)、薬師堂(右)
大儀寺句碑 大儀寺本堂
大儀寺句碑(左)、本堂(右)
塔ケ崎十一面観世音
 塔明山観音寺。安産の観音様として広く信仰を集める。 「ここに参詣した女性は難産しない、子どもを望めばたちどころに懐妊し、男女いずれかを望めば、やすやすと得られる」などといい伝えられている。 毎年1月21日と8月21日の大縁日には、多くの参拝者でにぎわう。
 鉾田市塔ケ崎。十一面観音の地図
十一面観音
十一面観音
塔ケ崎十一面観世音大縁日
 塔ケ崎十一面観世音で毎年1月21日と8月21日に開かれる縁日。早朝から多くの参拝者が訪れ、十一面観世音前の道路には多くの露店が立ち並ぶ。 周辺には無料の臨時駐車場も設けられる。
十一面観音大縁日 十一面観音大縁日露店
大縁日当日の塔ケ崎十一面観世音(左)、十一面観世音前道路の露店(右)
厳島神社
 1078(承暦2)年の創建。祭神は市杵島姫命。地元では子生弁財天(こなじべんざいてん、こなじのべんてんさん)として、安産の神として親しまれている。 池の中の島に本殿と拝殿がある。本殿は1697(元禄10)年の再建、茨城県の指定文化財。
 鉾田市子生877。厳島神社の地図
厳島神社
厳島神社
楠木神社
 祭神は楠木正成。佐竹氏の一族で、楠木氏の末裔が、1879(明治12)年、私有地に創建、家の守護神とした。 1883(明治16)年、公社となる。神社の入口に約20m以上の高さを持つ人工の築山、南朝遥拝壇がある。
 鉾田市上太田527。楠木神社の地図
楠木神社
楠木神社拝殿
楠木神社本殿 楠木神社鳥居
楠木神社本殿(左)、同じく鳥居と社号標、左の大きな築山は南朝遥拝壇(右)
諏訪神社
 祭神は健御名方命(たけみなかたのみこと)、八坂刀女命(やさかとぬのみこと)。 伝承では、872(貞観14)年、信濃国(長野県)諏訪より勧請した。安房郷の総鎮守。社殿は、1924(大正13)年の再建。 境内の山林は、樹齢を重ねた巨木が多く、この樹叢は「諏訪緑地環境保全区」として茨城県の指定を受けている。
 鉾田市安房1421。諏訪神社の地図
諏訪神社
諏訪神社社殿
八幡神社
 創立年代は不詳だが、鎌倉の鶴岡八幡宮の分霊を迎えて、祀ったのがはじまりとされる。 正面の鳥居から社殿までの約200mにわたる参道の両側は、スダジイ、タブノキなどの常緑広葉樹に、 ムラサキシキブ、サンショウ、ガマズミ、ゴンズイなどが混生する暖帯性森林。 境内の樹叢は「飯島八幡神社樹叢」として、鉾田市の天然記念物に指定されている。 1979(昭和54)年、3月31日には、茨城県が「八幡緑地環境保全地域」として指定、保護している。
 鉾田市飯島1。八幡神社の地図
八幡神社社殿 八幡神社鳥居
八幡神社社殿(左)、鳥居(右)
安塚公園の桜
 安塚公園は北浦湖岸にある細長い公園。桜並木と菜の花が特徴的。
 鉾田市安塚。安塚公園の地図
安塚公園桜
菜の花との競演が見事な安塚公園の桜
旧舟木小学校の桜
 閉校した小学校の校庭にある桜の古木。
 鉾田市舟木1−7。旧舟木小学校の地図
旧舟木小学校桜
旧舟木小学校の桜
涸沼観光センター
 涸沼観光センターは、鹿島臨海鉄道の涸沼駅に併設する。涸沼周辺の観光情報提供を中心に、鉾田市の観光PRを担っている。 観光パンフレットの配布、鉾田市のマスコットキャラクター「ほこまる」のオリジナルグッズ販売、そしてレンタサイクルの貸出を行っている。
 2021(令和3)年1月18日、鉾田市観光協会が発展的に解消し、一般社団法人・鉾田市観光物産協会が設立された。 同年2月2日、涸沼観光センター内に事務所の開設式が行われた。
 午前9時〜午後4時。休館は、月曜日(祝日の場合は翌平日)及び年末年始。
 鉾田市下太田875。涸沼観光センターの地図
涸沼観光センター
涸沼観光センター
涸沼駅の桜
 鹿島臨海鉄道、涸沼駅の駅前ロータリー兼駐車場を取り囲むようにある桜。涸沼駅には涸沼観光センターが併設されている。
 鉾田市下太田866−2。涸沼駅の地図
涸沼駅桜
涸沼駅の桜
照明院の御葉付銀杏
 照明院の阿弥陀堂の前に、葉に実(銀杏)がつくというお葉付銀杏がある。普通イチョウは、枝に実がつくがこれは葉の縁につく。 樹齢およそ500年と推定される大木で、高さ約27m、幹周り約6m、枝張りは直径約30mに及ぶという。茨城県の天然記念物に指定されている。 なお、葉に実がつくという現象は、イチョウの老木に見られる現象という。
 鉾田市中居685−1。照明院の地図
御葉付銀杏紅葉 御葉付銀杏
紅葉時期の御葉付銀杏(左)、夏季の御葉付銀杏(右)
汲上観音
 観音堂に祀られているのは茨城県指定文化財の如意輪観世音菩薩坐像で、安産祈願、厄除開運に御利益があるとして広く信仰を集めている。 2月14日と8月9日の午後7時から御開帳が行われる。
 江戸時代前期、仙台藩主の伊達氏が夫人の安産祈願のために観音堂改築などをしたことにより信仰が広まったという。 茨城県指定文化財の観音像は、像高85cm。大同元(806)年ごろの作と伝えられるが、実際には平安時代後期の作られたとみられる。 1998(平成10)年から翌1999(平成11)年にかけて修理が行われた。 また観音堂も同年修理が行われ、この時、道内からもう一体の観音像が発見された。この像の方が県指定文化財の像よりも古いと見られている。
 もともと汲上観音堂は、近くにあった東福寺に属していたが、1885(明治18)年の汲上大火で焼失。 その後は同じく汲上地内の天台宗、華徳院の管理運営となっている。汲上観音堂の境内には石製の七福神も祀られている。
 鉾田市汲上1731。汲上観音堂の地図
汲上観音堂 汲上観音堂
汲上観音堂(左)、汲上観音堂(右)
華徳院 けとくいん
 近津山宝徳寺華徳院。天台宗。 969(安和2)年、天台宗座主慈恵僧正の法弟、慈泉の開基。1392(明徳3)年、火災によって諸堂を焼失。 応永年間(1394〜1428年)叡繁が入り再興したという。江戸時代に入っても、1788(天明8)年に火災に遭った記録などが残る。 現在の本堂及び庫裡兼客殿は1991(平成3)年の落慶。汲上地内にある観音堂(汲上観音)は同寺の管理=上記参照。
 鉾田市汲上1683。華徳院の地図
華徳院
華徳院
福泉寺 ふくせんじ
 大倉山福泉寺。臨済宗妙心寺派。常陸大掾の一族、平忠幹の開基、恵光上人の開山とされる。 1325(正中2)年、鎌倉幕府の執権、北条高時が再興した。 本尊の木造釈迦如来立像は、鎌倉時代末の作とされ、高時が再建した時のものと見られている。国指定の重要文化財。 また、谷文晁が寺に滞在して描いたという龍の天井画などが残されている。
 鉾田市大蔵113。福泉寺の地図
福泉寺
福泉寺
福泉寺の桜
 福泉寺入口にある桜。入口両側にあるが向かって右側は稲荷神社の敷地内に入っている。
福泉寺桜
福泉寺入口の桜
主石神社 ぬしいしじんじゃ
 祭神は大山祇命。式内社。創建年代は不詳。成長する石があり、それを御神体として祀ったのが始まりという。 本殿は、この御神体の上に鎮座するとされる。861(貞観3)年、従五位上。1108(嘉祥3)年、官社。 現在の本殿は天正年間(1573〜1591年)の再建とされているが口伝で記録は無い。
 鉾田市大和田1028−1。主石神社の地図
主石神社拝殿 主石神社本殿
主石神社拝殿(左)、本殿(右)
主石神社の山百合
 主石神社の里山には多くの山百合が咲く。花の時期には地元で保護活動している団体などが中心となって 「主石の杜山百合まつり」が開催されている。
主石神社山百合
主石神社の参道脇の山百合
玉澤稲荷神社
 祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)。 源頼義が奥州追討の際、この神社で戦勝を祈願したという伝承をもつ。 神社周辺は豊かな樹叢で、近くの冷水海岸とともに、茨城の自然100選に選ばれている。
 鉾田市冷水972。玉澤稲荷神社の地図
玉澤稲荷神社
玉澤稲荷神社社殿
樅山神社 もみやまじんじゃ
 祭神は、武甕槌命(たけみかつちのみこと)、経津主命 (ふつぬしのみこと)、天児屋根命 (あめのこやねのみこと)。 807(大同2)年の創建と伝えられる。1996(平成8)年12月、拝殿新築及び本殿修復。 本殿は江戸時代中期の再建とされ、鉾田市指定文化財。近隣、七郷の総鎮守とされる。 また境内は、スダジイ、タブノキ、モミなどの常緑樹とケヤキ、イロハモミジなどの落葉樹が混生しており 「樅山自然環境保全地域」に指定されている。
 鉾田市樅山91。樅山神社の地図
樅山神社
樅山神社社殿
近津神社
 祭神は武甕大神。創建は鎌倉時代という。旧村社。明治以前は、大蔵、阿玉、二重作、梶山、青山、汲上、上沢の鎮守だった。
 国府(石岡市)の国司が、この地の庵に住む尼さんに心を惹かれ、鹿島へお参りに行くことをやめて、そのかわりに鹿島大神の分霊をこの地に迎えて祀ったのがはじまりと伝えられる。 約350mの参道の両側は、うっそうとした樹林に包まれている。
 鉾田市大蔵194。近津神社の地図
近津神社拝殿
近津神社拝殿
近津神社本殿 近津神社鳥居
近津神社本殿(左)、鳥居(右)
光福寺
 医王山密蔵院光福寺。真言宗豊山派。 銅造薬師如来立像は平安時代の作とされ、総高14.2cm、像高11.1cm、光背4.6cm、台座0.9cm。 1997(平成9)年1月27日、茨城県指定文化財。 楼門は、江戸時代中後期の建立。四脚門に床をつけたもので、通常のものより2階部分が低い。江戸時代中期の建立。鉾田市指定文化財。
 鉾田市梶山846−2。光福寺の地図
光福寺楼門 光福寺本堂
光福寺楼門(左)、同じく本堂(右)
上冨田生活改善センターの桜
 上冨田生活改善センター前にある1本の桜。
上冨田生活改善センター桜
上冨田生活改善センターの桜
鳥栖の桜
 鳥栖地区の道路沿いの畑にある1本の桜。
鳥栖桜
鳥栖の桜
玄生の大杉様 くろうのおおすぎさま
 鉾田市烟田(かまた)の玄生(くろう)地区に伝わる大杉様(天狗様)を祀り無病息災を祈願する。玄生の天狗様とも。 地区の境界に鉄板で毎回鮮やかな朱色に塗られた天狗面(かつては蓑で模造)をつけ、胴体は杉の葉を衣替わりに覆った大杉様を椚の大木に祀る。 2月1日、5月1日、8月1日の年3回、お囃子などを奉納する「厄除け大杉祭り」を行い作り直される。
 祭礼に関する詳しい資料は残っていないが、言い伝えによると約300年前にこの地区で目の流行り病が発生。 そのため現在の稲敷市にある大杉神社の大杉大明神の眷属として多くの奇跡を起こしたとされる社僧、 常陸坊海存から天狗を祀るようになったとされる。なお、鹿島鉄道が運行されていた時代には天狗面を車両のヘッドマークとして 取付「厄除け列車」として運行されたこともある。
玄生大杉様
玄生の大杉様
鉾田花火大会
 鉾田市で隔年に開催される花火大会。午後6時30分から鉾田川と長茂川の合流付近の新鉾田西地区が会場。 約3000発の花火が打ち上げられる。 1997(平成9)年に1回目が開催されている。コロナ禍による中断までは8月に開かれていたが、 2023(令和5)年に行われた5年ぶりの花火大会は10月第2土曜に実施された。 花火の担当は水戸市の野村花火工業。
鉾田花火大会
北浦越しの花火
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